医療現場の現状とは

3Kとは、きつい・汚い・危険な職場のことを指し、若者が就職先として嫌うということが一般的に知られています。主に、ハードワークが求められる建設業界で用いられることが多いようです。しかし最近、医療業界も同じようにこの言葉が使われるようになってきました。
医師や看護師といった職業は高度な知識・経験・技量が求められ、とりわけ患者の命を預かる極めて責任の重い仕事だといえます。肉体的にも精神的にも常にベストな状態で、医療業務に就くことが必要な職業だといえるでしょう。しかし、残念ながら多くの医療現場では理想とは程遠い状況にあるようです。一部の医療施設を除き、大半の病院や診療所では医師や看護師の不足が常態化していて、既存のスタッフが無理をすることで何とかやりくりしているのが現状だそうです。どのような職場でもそうですが、忙しい仕事を少ないスタッフでこなすと、必ずどこかに無理が生じます。時間内に仕事をこなすことが出来なければ、残業や休日出勤が余儀なくされます。この状態が慢性化しているのが、医療現場だといえるでしょう。つまり、現在の病院や診療所は、医師や看護師の個人的な努力と献身によって、かろうじて維持されていることになります。
医学界では、医師にはヒポクラテスの誓いがあり、看護師にもナイチンゲールの誓言があるといわれています。日本の場合、看護学校の卒業式や戴帽式の際に、誓いの言葉を述べるのが習慣になっているそうです。そこで誓われる気高い内容が、そのまま日本の医療界を支えているといえます。しかし、それに甘えることなく、医療現場から早く3Kという言葉が払しょくされなければならないでしょう。